本年もよろしくお願いいたします。
あけましておめでとうございます。
新刊JP編集部ヤマダです。
年末年始はみなさんゆっくりできましたでしょうか。
独身で、さらに一人暮らしだと休みたい放題ですけども、家庭をもっていたりすると休暇中も思うように静養できなかったりするみたいですね。
全員独身の我々編集部は金井が引きこもり、川口は昨日10日ぶりに自宅のベッドで寝たと語るほど遊び呆ける、など様々でした。
僕はあまり外出しませんで、どちらかというと引きこもり型でしたが
某文学フェアの企画会議に混ぜてもらう
帰省した際に親の本を持ち去る
など、稀に外出すると収穫(?)を得ることができ、何もしていないのに妙な充実感が…。。
さて、今日から仕事が始まったのですが、今のところは静かです。
しかし、すぐに忙しく慌しくなるんでしょうね。
今年の目標は「凡ミスをしないこと」「慌てないこと」なので、ひまなうちに金井がやっていた机整理をして、繁忙時に備えます。
おもしろい記事、タメになるラジオをバンバン配信していきますので、本年も新刊JPをよろしくお願いいたします。
今年最初の更新ということで、今回はご挨拶だけでしたけども、
次回は以前から触れているワンコイン文庫について書きます。
それでは、皆さんが一年間、健康で、ゴキゲンで、心配事や徒労なく過ごせますように。
ヤマダでした。
文庫化する本はどう決める!?出版社に電話取材してみた その2
こんばんは、新刊JP編集部ヤマダです。
前回のエントリーでチュツオーラの名前を出しましたが、
毎週、各書店さんにお願いして、オススメ書籍を紹介してもらう新刊JPの企画
書店員が選ぶ『私の3冊』で
紀伊國屋書店ピクウィック・クラブさん(紀伊國屋書店新宿本店の店員さん達による文学愛好者の団体)がタイミングよくチュツオーラの『やし酒飲み』を紹介してくれていました。
ちなみにチュツオーラはナイジェリアの作家です。
魔術的リアリズムの作家と言われていますが、ジャンルの括りでチュツオーラを捉えるのは不可能!というくらい奇妙で不穏な空気を感じる作品を残しています。
さて、今回は前回に引き続き“ワンコイン文庫”について。
前回は文庫の価格の決め方を調べた結果、様々な要素を考慮するが、ページ数と部数によるところが大きい、ということがわかりました。
調査している時に、380円〜420円くらいの文庫(短編作品)に最近の著名作家の作品がでてこないので、
もしかしたら短編・中編を書き続ける作家が減っているのか?
または、作家はキャリアを積むにつれて長編に移行してしまい、短・中編を書かなくなってしまうのか?
というような疑問を持った、ということを前回のエントリーの最後に書きましたが、
よくよく調べてみたらそんなこともありませんで、ちゃんと最近の作家の作品にもそのくらいの価格の文庫はあるし、大物作家でも短編集という形で、短編小説を書いていました。
ただ、単行本が出ているのに文庫化されていない、というようなことが、若い作家の作品を中心にちらほらありまして、そこのところを今回は書こうと思います。
純文学系の賞を受賞した作品が全部文庫化したら、“ワンコイン文庫”は飛躍的に増えるでしょうね。
☆文庫化される本とされない本
この違いは何なのか?ということを探るべく、今回も電話取材をしてみました。
新潮社(文庫編集部)
「あまりに難解なものや時節に合わないものは文庫化しない」一般的に、あまり難しすぎる内容のものや、時期はずれなものは文庫化しないそうです。ただ、読者の方から“この本を文庫化してほしい!”といった声が多くあるそうで、その声によって実際に文庫化された作品が『魚雷艇学生』(島尾敏雄)をはじめ何作かある、とのこと。
- 作者: 島尾敏雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
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早川書房(広報の方)
「文庫は最後の発行形式なので、長く残るものを」単行本は文庫より発行部数が少ないため、ターゲットをある程度絞って刊行するが、文庫は発行部数が多いため、より一般的な内容が求められる、とのこと。
また、文庫は最後の発行形式なので、長く残るモノを、という意識でお仕事をされているそうです。
単行本発売から文庫発売の期間は2〜3年。
7、8年前は3年で文庫化、というのが出版界の常識だったようですが、最近は各出版社ごとに文庫化までの期間は違ってきていて、早川書房さんの本でも1年半ほどで文庫化されたものもあります。テレビドラマ化、映画化された作品は特にその傾向があるそうです。読者の声によって文庫化された作品は思い当たらないが、読者の声によって復刊された作品はあるそうです。(『拷問者の影』ジーン・ウルフ著など)SF作品で有名な早川書房さんですが、SF小説の読者は特に熱心な方が多い、とのことでした。
拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫SF)
- 作者: ジーン・ウルフ,小畑健,岡部宏之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/04/23
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祥伝社単行本編集部(元文庫本編集者の方)
「売れ行きや時期を見て文庫化」文庫化の詳しい条件については秘密、とのことでしたが、売れ行きと時節に合うかどうか、という点は考慮するそうです。
ノンフィクション作品などは、単行本発売当時は本の内容と世間の関心が合っていなくても、文庫化のタイミングで、うまくマッチすることもあります。読者の声をお聞きしたところ、文庫化を望むというよりは、続編を望む声が多いそうです。
電話をするまではこれほど多様な回答を得られるとは思っていませんでしたが、出版社によって、文庫化する作品の基準は様々なようです。
それに、読者の声ってやはり大きいんですね。。。
僕もモノを書いている人間のはしくれとして、改めて読者の方は大事にしなきゃ、と思った次第です。
さて、2回にわたって
■文庫本の価格の決め方
■文庫化する本の決め方
について書いてきましたが、次回は“ワンコインで買えるオススメ文庫”について書こうと思います。
ではでは。。
文庫本の値段はどうやって決まる?出版社に電話取材してみた
こんにちは、新刊JP編集部ヤマダです。
前の更新からだいぶ日が空いてしまいましたね。
前回は新書について調べたので、今回は文庫について。
この間、チュツオーラというアフリカの作家の本を探していたときに思ったこと。
僕は小説を買う時、読んだことのない作家の本はできるだけ文庫を買うようにしています。
奮発して単行本を買って、読んでみたら面白くなかったとか、肌に合わなかったとかになると凹みますからね。
そういう意味で、文庫は今までに読んだことのない作家の本に触れる時に便利。
講談社学芸文庫とか岩波現代文庫みたいに、1000円以上する少し高級な文庫もありますが、大体は1000円以内で買えます。
個人的には初めて読む作家の本は500円以内で買いたいと思っているケチなので
1冊500円以下で買える“ワンコイン文庫”について書きます。
(ちなみにチュツオーラの文庫は中古で見つけました。800円くらいしましたが。。)
☆文庫の価格設定の方法
例えば新潮文庫ですが、380円、420円、460円、500円、540円と、価格設定は40円刻み。
とりあえず、新潮文庫で好きな作品を見てみると…
砂の女(安部公房) 276ページ 500円
個人的な体験(大江健三郎) 258ページ 500円
輝ける闇(開高健) 294ページ 540円
女神(三島由紀夫) 346ページ 540円
100作品くらい調べましたが、新潮文庫はどうもページ数によって価格を決めている様子です。
500円で買える文庫というと大体300ページ弱まで。
海外作品は翻訳の手が入っているせいか、少し割高です。
実際にアマゾンなどで価格とページ数を調べてみるとわかりますが、新潮文庫はページ数が価格にかなり影響しているのがわかります。
まあ、でも実際に聞いてみないと推測の域を出ませんので、いくつかの出版社さんに電話をしてお話を聞いてみました。
■その一 新潮社 文庫編集部
「国内作品、海外作品それぞれに価格設定の目安となるページ数がある」
やはり新潮文庫はページ数によって価格が決まる、という面が強いそう。
ただ、もちろん例外はあって、他の出版社で単行本が出た作品を新潮社で文庫化する場合は別の料金設定をするようです。
■その二 祥伝社 単行本編集部(元文庫本編集者の方)
「文庫の価格の決定方法は主にページ数ですが例外もあります。」
「基本的にはページ数が価格設定の主な基準となります。通常の単行本であれば、初版は5000部〜7000部が一般的ですが、文庫本の場合は、1万部や1万5000部の初版は普通で、有名作家の場合は10万部刷ることもあります。そういった場合は、価格を安く設定する事もありますよ。これは例外ですが、主婦層をターゲットに、節約をテーマにした文庫本を出したときに本のテーマも節約なので、ワンコイン500円で買ってもらえるよう、ページ数関係なく500円に設定した例もあります。といっても安直に決めたわけではなく、他部署、業務部や販売部と相談し、適正な販売戦略を練ったうえで決定します。また、4色ページやオールカラーの文庫などは当然、ページ数に関係なく価格は高くなります。」(編集者談)
■その三 講談社
「ページ数も考慮するが、その他の要因。」
基本的には企業秘密なのでお答えできない、とのことでしたが、
発行部数、紙の質、印刷所の値段、輸送運賃、社員数など全てを
考慮した採算分岐点をだす計算式があるそうです。
ページ数も考慮の対象にはなるがそれだけではない、とのこと。
さらに他社と比べて、決定します。
■その四 筑摩書房 編集部
「企業秘密なので一切お答えできません」
価格設定については一切が秘密ということでした。
■その五 早川書房 広告部
「ページ数と部数を基準にして決定しています」
ページ数と部数が主な判断材料とのこと。
しかし、翻訳モノは訳者印税があるので少し割高です。
それと挿絵が入っていたりすると挿絵の作者へもお金を払うので割高です。
☆文庫の価格設定の方法
・各社とも様々ですが、発行部数、ページ数は大きな判断基準となる
・当然といえば当然ですが、翻訳や挿絵などの手がかかっているものは割高
・本の内容によって、戦略的に価格を設定する場合もある
講談社の“秘密の計算式”が気になるところですね。
ところで、ページ数が価格設定の大きなポイントだとすると500円以内で買うには短編を探すことになります。
今回、各出版社の文庫を調べて価格を見ていて、500円はともかく420円くらい(ページ数でいうと150〜200ページくらい)の短編小説に、現役バリバリの作家の名前をあまり見かけなかったんですよね。
絲山秋子さんはあいかわらず短編で頑張っていましたが。
これが意味するところは一体何なのか?
優秀な短編・中編の作家が少なくなっているということなのか。
それとも実力のある作家、人気の作家は短編を書かなくなってしまうのか?
そいつは次回調べてみようかと思っている次第です。
ちなみに新潮文庫で上にあげた作品はどれも大好きなものです。
人に「オススメの小説は?」と聞かれたら答えるし、聞かれなくても勝手にペチャクチャしゃべってしまうくらい好きです。
特に大江健三郎氏。
冒頭のチュツオーラにしても『個人的な体験』(大江健三郎)の中でチラッと触れられているので興味をもっただけです。
(作中での表記は「チュチュオーラ」となっています)
僕が大江氏の作品をどれだけ愛しているか、についてはいつか機会があれば書こうと思います。
ではでは。
新書は「コンセプト」で選べ!―出版社に電話突撃
こんにちは。
遅ればせながら、僕も新刊JPブログから独立して、個人でやっていくことになった。
このブログは「日常で疑問に思ったことを調べて、解決していく」
をテーマに2週間に1度更新していこうと思う次第です。
かつて図書館で働いていた頃は「新刊」との区別がついていなかった、「新書」
以前、新刊JPで特集した『だから新書を読みなさい』(奥野宣之/サンマーク出版)のページに、新書とは一体何なのかが書かれている。
それによると、新書の定義は本のサイズで決まり、173×105mm、およびそれに近い判型の本を新書と呼ぶそうだ。
それはつまり、本の内容は問われないということ。
調べたら100近くの出版社が新書を出していて、タイトルだけ見ても、
「精神」とか「人類」とか恐ろしく広い分野を扱っているものから
「スイスの鉄道」のような細かいものまで様々。。。
おそらく、出版社ごとに独自の編集方針やコンセプトがあるにちがいない。
今回はそのあたりのことを調べようと、あちらこちらの出版社に電話をかけて、新書編集部への取材を試みた。
■筑摩新書(1994年創刊) 『時事性と普遍性の両輪』
最初に連絡を取ったのは筑摩書房の「筑摩新書」。編集者の方曰く「時事性と普遍性の両輪」を常に意識しているそうだ。
ベストセラーとなったものには
『多読術』(松岡正剛 著)
『現代語訳学問のすすめ』(福沢諭吉 著/斎藤孝 訳)
『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』(城繁幸 著)
『ウェブ進化論―本当の大変化はこれから始まる』(梅田望夫 著)
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
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『多読術』はキノキャストで内容を聴くことができるので、気になった方は是非試してみてほしい。
■岩波新書(1938年創刊) 『教養性と時事性を重視。中身の濃いものを』
岩波新書は国内最古の新書。
特定分野について詳しい情報を得ることのできる、
いわゆる「教養新書」のイメージが強いが、
編集長氏によると「教養性」と「時事性」が半々になるように創刊時から変わらずに意識しているそうだ。
「今まで通り中身の濃いカッチリとしたものを作っていけば、それが自ずと他社との差別化になる」という、元祖ならではのコメントをいただくことができた。
ちなみに『岩波新書の歴史―付・総目録1938〜2006』によると、
1938年創刊時は『神秘な宇宙』(ジーンズ)など20タイトルが同時発売されたようだ。
よく売れたものは
『ルポ貧困大国アメリカ』(堤未果 著)
『読書力』(斎藤孝 著)
『格差社会―何が問題なのか』(橘木俊詔 著)
『子どもの社会力』(門脇厚司 著)
『若者の法則』(香山リカ 著)
『日本人の英語』(マーク・ピーターセン 著)
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■新潮新書(2003年創刊) 『他社の二番煎じはしない』
意外にも新潮新書の歴史は浅く、2003年の創刊だ。
しかし「電車の往復時間で読める雑誌感覚の新書」というコンセプトが良かったのか歴代最
速で発行部数が1000万部を超えた。
「岩波・中公・講談社に追いつけ追い越せと思ってやってきた」と新書編集長氏が電話で言っていたが、現実になりつつある。
編集方針としては「他社の二番煎じはしない」。
ベストセラーとなったものは一般的によく知られているものが多く
『人間の覚悟』(五木寛之 著)
『バカの壁』(養老孟司 著)
『国家の品格』(藤原正彦 著)
『人は見た目が9割』(竹内一郎 著)
キノキャストでも紹介している『いつまでもデブと思うなよ』(岡田斗司夫 著)などなど。
キノキャスト2008年4月27日号『いつまでもデブと思うなよ』
- 作者: 岡田斗司夫
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■文春新書(1998年創刊) 『コンセプトは特になし』
あらゆる種類の本を出している出版社だけに、ターゲットとしている層も特には定めていないようだ。
ベストセラーには
『断る力』(勝間和代 著)(新刊ラジオで紹介)
『強欲資本主義ウォ−ル街の自爆』(神谷秀樹 著)
『美しい国へ』(安倍普三 著)
『ロ−マ人への20の質問』(塩野七生 著)
『漢字と日本人』(高島俊男 著)
- 作者: 安倍晋三
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■PHP新書(1996年創刊) 『ビジネスマンが読んで役に立つものを』
文春新書と対照的だったのがPHP新書。
「PHP研究所自体がビジネスマン向けの本を扱ってきたというだけあって、新書部門もその傾向が強い」(編集長氏談)
ベストセラーには
『女性の品格』(坂東真理子 著)
『頭がいい人、悪い人の話し方』(樋口裕一 著)
『すべては音楽から生まれる』(茂木健一郎 著)
『1分で大切なことを伝える技術』(斎藤孝 著)
『養老孟司の“逆さメガネ”』など。(養老孟司 著)
- 作者: 坂東眞理子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2006/09/16
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PHP研究所はPHP新書の他に今年創刊された「PHPサイエンスワールド新書」もあり、
こちらは科学の分野に特化した新書を刊行している。
こちらは過去に特集したが、執筆陣の豪華さに目を見張った。
■ワニブックス【PLUS】新書(2009年創刊)『啓蒙的で堅苦しいイメージの新書にエンターテイメント性を持たせる』
岩波新書が「元祖」ならワニブックス【PLUS】新書は「最新」の新書だ。
何しろ先月の8日に創刊されたばかり。
ターゲットは比較的はっきりしていて「20代〜40代」(編集長氏)とのこと。
編集部に届いた新書創刊の案内には「プチ教養書」とある。
これは編集長氏曰く「啓蒙的だとか堅苦しいイメージのある新書にエンターテイメント性を持たせて世に出していく」。
あくまで教養新書だが、ただ学問的なのではなく、身近なところからテーマを拾ってくることもあり、
執筆陣に芸能人を起用するなど、親しみやすさが特徴だ。
なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか? (ワニブックスPLUS新書)
- 作者: たむらけんじ
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2009/10/08
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やはり、というかなんというか、各社それぞれ編集方針も編集への熱意もかなり違う。
電話取材の結果をまとめるとこんな感じ。
★新書には、一般的で深い知識を得られる「教養新書」と、実生活に役立つ知識を得られる「実用新書」に大別される。
★各出版社ともに、「教養新書」重視か、「実用新書」重視か、両方に力を入れるか、それぞれスタンスが決まっている。
★創刊から日が浅い新書(新潮新書・ワニブックス【PLUS】新書など)ほど、ターゲットやコンセプトが明確になっていることが多い。
また、最近の発売されている新書の傾向として「原点回帰的に教養新書が増えている」(PHP新書編集長)ことがあげられるようだ。
ここまで書いてきたが、新書に興味のある人はきっと旺盛な知識欲を持つ人に違いない。
新書を買う時は、知りたい分野のものを選ぶことはもちろん、
各出版社新書部門のコンセプトを意識するとハズレが少ないかもしれない。
すべての出版社を取材したわけではないが、この記事が新書を選ぶ際の一助となれば幸いだ。
ちなみに冒頭で紹介した『だから新書を読みなさい』にも新書の選び方について詳しく書かれているので参考にしてほしい。
今後ともよろしくお願いします。